AIによって変わる世界VOL.1(介護業界)ー岸秀之


 AIの進歩、ロボットの進化は様々な業界に大きな変動を与えています。
ここでは介護業界に関してのAIを使った有効活用とロボットの活用について、
現段階での新技術や将来的な技術の予測を交えてお話します。

・褥瘡防止の為のベッド側での監視
体力の低下した高齢者は自ら寝返りを打つ事が出来ず、床ずれ(褥瘡)を起こしてしまう事があります。
これは同じ体制を取り続ける事によって、骨などの一点に体重が掛かり続けて、その部位が壊死してしまう症状です。

現在では介護師や看護師が、ホームの入居者であれば体位の変換をして褥瘡を防いでいます。

現在開発が進んでいる技術としては、時間ごとにベッドの上に乗る人の体重とその負荷を計算して、
自動で寝返りを促すロボットがあります。

このロボットが普及する事により、職員の負担が軽減するだけではなく、患者の肉体的な負担が減るという側面が大きいと思われます。

・GPSとドローンによる徘徊の監視
主に在宅介護の場合には、認知症患者の方が徘徊行為をする事が介護者を悩ませる要因となっています。
すでにGPSを付けて徘徊者を発見する方法は確立されていますが、GPS端末を外してしまう患者様も少なくありません。
監視をされていると錯覚をしている場合も多々ありますので、GPSが万能とは言い切れない側面があります。

そこで注目されているのがドローンによる徘徊者の保護です。
ドローンは空から徘徊者の捜索をします。
これは必ずしも徘徊者の捜索に特化した物ではなく、街の治安維持やテロ防止などの防犯の面からの利用が近いと言えます。

ドローンと固定カメラにより、街の状況を把握して、仮に徘徊者が行方不明になった際にも事故防止の為に早期発見が出来る。
このようなメリットが考えられます。

・車椅子の進化
足腰の老化によって、車椅子を使用しなくてはならない方も多数います。
車椅子の技術は自動運転の技術が非常に多く利用され、将来的には半自動で目的地まで移動をしてくれる車椅子も登場するでしょう。
現段階で研究が進んでいるのは、段差があった場合に使用者の姿勢を変えずに段差を超える技術です。
キャタピラ型の小型車輪を用いて段差を超える手法が多く研究されています。

ところが更なる進化をした車椅子は、自動運転の技術を取り入れて、衝突回避や自動走行の能力を獲得していくと考えられます。
目的地を設定するとそのルートを取って自動的に走行をする車椅子。
前面に障害物があれば自動的な最適な通行ルートを取る車椅子。
これらの車椅子が登場するのも、そう遠くない未来になります。

・話相手となるAIの普及
独り暮らしの老人にとって、話相手がいない状況という物は脳の活性化という側面から見ても、好ましい状況とは言えません。
ホームなどに入居している方たちも、話相手がいない状況であれば鬱屈とした気分になってしまいます。

そこで開発が進んでいる物がチャットボットと言われる類のロボットです。
こちらから声を掛けると、相手がそれに対応した会話をしてくれるロボットで、既に街中にも多数配置されています。

これらのロボットが安価で提供されるようになれば、話相手のいない孤独な方であっても、心の安寧を得られると言えるかもしれません。
もちろん、体調不良の際にもロボットが自動的に救急車を呼ぶなどの機能が備わる事でしょう。

・バイタルサインの統括管理
要介護者が在宅もしくはホームで生活する場合に、体調の急変というのは大きな問題となります。
急変を見逃さないよう、ベッドで横になっている方のバイタルサイン、例えば心拍数をベッドが計測をして、
急変があった場合に緊急連絡を飛ばす。
という事も可能になってきます。

このように、あらゆる技術が変化をしていきますが、そのいずれも介護者が安全に、そして快適に生活を送れるよう開発されるべきものです。
決して制限を掛けるべきものではないと言う事を、私たちは念頭に置いておかなくてはなりません。

岸秀之